株式会社エイチ・アイ・エスによる当社株券に対する公開買付けに関する意見表明( 反対 )のお知らせ

当社は、令和元年(2019年)7月11日に開始された株式会社エイチ・アイ・エス(以下「公開買付者」といいます。)による当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)を対象とする公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)について、令和元年(2019年)7月23日に開示いたしました「株式会社エイチ・アイ・エスによる当社株券に対する公開買付けに関する意見表明(留保)のお知らせ」において留保の意見を公表しておりましたが、令和元年(2019年)8月6日開催の取締役会において、本公開買付けに対して反対の意見を表明することを決議いたしましたので、お知らせいたします。
株主の皆様におかれましては、本公開買付けに応募されないようお願い申し上げますと共に、既に応募された株主の皆様におかれましては、速やかに本公開買付けに係る契約の解除を行って頂きますよう、お願い申し上げます。


1.公開買付者の概要

注1:所有割合とは、当社が令和元年(2019年)6月19日に提出した第42期(自 平成30年(2018年)4月1日 至 平成31年(2019年)3月31日)有価証券報告書に記載された平成31年(2019年)3月31日現在の当社株式の発行済株式総数(34,220,700株)から、同有価証券報告書に記載された同日現在において当社が所有する自己株式数(400株)を控除した株式数(34,220,300株)に対する割合をいいます(小数点以下第三位を四捨五入しております。)。
以下同じです。
注2:公開買付者が令和元年(2019年)7月11日に提出した公開買付届出書(以下「本公開買付届出書」といいます。)の記載に基づくものです。


2.買付け等の価格
普通株式1株につき、金3,100円


3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由

(1)本公開買付けに関する意見の内容
当社は、令和元年(2019年)8月6日開催の取締役会において、本公開買付けに反対することを決議いたしました。
したがいまして、株主の皆様におかれましては、本公開買付けに応募されないようお願い申し上げますと共に、既に応募された株主の皆様におかれましては、速やかに本公開買付けに係る契約の解除を行って頂きますよう、お願い申し上げます。

(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由

①本公開買付けに関する意見の根拠
公開買付者は、令和元年(2019年)7月10日付で、同年7月11日から本公開買付けを開始することを公表いたしましたが、本公開買付けは、当社に対して何ら事前の通知・連絡もないまま突然公表 ・ 開始されたものであります。

当社は、公開買付者による本公開買付けの公表を受け、本公開買付けに対する当社の意見を表明することに向けて、直ちに、本公開買付け及び公開買付者に関する情報の収集を試み、また、本公開買付届出書に記載された内容を含め、本公開買付けに関して、慎重に分析・検討を進めてまいりました。

しかしながら、 本公開買付届出書に記載された内容を含め、令和元年(2019年)7月23日までに当社が入手することができた情報のみでは、本公開買付けの目的、本公開買付け後に公開買付者が企図する当社との資本提携を含む業務提携の具体的な内容及びその結果として見込まれるシナジーの有無、本公開買付けにおける買付け等の価格 (以下「本公開買付価格」といいます。)の根拠その他の本公開買付けの是非及びその諸条件について評価・検討する上で重要であると考えられる多くの事項の詳細が明確ではありませんでした。

また、 当社は、本公開買付けに係る当社の意見を表明するにあたり、当社の意思決定過程における恣意性のおそれを排除し、その公正性及び透明性を確保することを目的とし、 本公開買付けが当社の企業価値向上に資するか否か、 及び、本公開買付けに係る対価の公正性等を踏まえた本公開買付けの是非を当社取締役会からの
諮問事項 (以下「本 諮問事項 」といいます。) として、 当社及び公開買付者からの独立性を有する当社社外取締役のみによって構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置しておりますが、令和元年(2019年)7月23日時点においては本特別委員会の判断が示されておりませんでした。

そのため、同日開催された当社取締役会において、本公開買付けに対する意見の表明を留保し、更に慎重に評価・検討を行うべく、公開買付者に対して質問を提示し、当該質問に対する公開買付者の回答を受領した後に、それを踏まえて当社の賛否の意見を最終的に決定することが適切であると判断いたしました。

その後、かかる当社の質問を受けて、公開買付者は、令和元年2019年7月30日に、対質問回答報告書(以下「本対質問回答報告書」といいます。)を関東財務局長に提出し、当社は、本対質問回答報告書並びに当社が収集した本公開買付け及び 公開買付者に関する情報を基に、公開買付者の提案を詳細に評価・検討いたしました。

なお、当社は、本公開買付けに係る当社の意見を表明するにあたり、以下のとおり、複数の外部専門家を起用し、その助言等を受けております。



また、本特別委員会は、当社の各アドバイザーとは別に、独自に法務アドバイザーとして矢吹法律事務所を、株式価値の算定に関するアドバイザーとしてPwCアドバイザリー合同会社 をそれぞれ選任しております。

本特別委員会は 令和元年(2019年)7月16日 、7月22日 及び8月5日に開催され ており 、7月16日には 、本諮問事項についての審議を開始し 、7月22日には、 特別委員会独自の法務アドバイザー及び財務アドバイザーの選任を決議するとともに、 当社が本公開買付けに対して留保の意見を表明し、公開買付者に対して質問書の提をすることに関して審議を行い、8月5日には、公開買付者から提出された本対質問回答報告書や株式価値算定機関により算定された当社株式価値算定結果を踏まえた上で 、本諮問事項の審議を実施しております。

②本公開買付けに関する意見の理由
第一に、 本公開買付けによって公開買付者及び当社の間で事業上のシナジーを創出することは困難です。 本公開買付けは、旅行事業を中心に営む公開買付者が、不動産事業を中心に営む当社の株式を取得する異業種間の株式取得で すが 、 本 公開買付届出書では それぞれの主力事業である 旅行事業及び不動産事業における相互のシナジーについては 具体的に言及されて いません。

第二に、本公開買付けは当社の企業価値を毀損するおそれがあります。

すなわち、 公開買付者は、不動産事業において、当社の強みである不動産情報ネットワークを積極的に活用することで、公開買付者の不動産事業における用地取得の迅速化・効率化を図るとしており、公開買付者による当社株式の取得により、当社の不動産事業のノウハウが一方的に収奪されるおそれがあると考えているためです。

公開買付者が業務提携を提案するホテル、 本特別委員会は、令和元年(2019年)8月5日、当社取締役会に対し、本特別委員会の全員一致の意見として、 本公開買付けは当社の企業価値向上及び株主共同の利益の向上に資するものとはいえず、また、本公開買付けに係る対価は妥当でないことから、本公開買付けには合理性がないと考える旨の答申を行いました。

この答申を受けて、令和元年(2019年)8月6日開催の取締役会において、出席取締役全員の一致により、本公開買付けに反対の意見を表明する旨の決議を行いました。

なお、上記取締役会において、出席監査役は、いずれも、本公開買付けに反対の意見を表明することに異議がない旨を述べております。

事業についても、当社グループが運営するホテルは ビジネス目的等の単身利用者 を主要ターゲットとしている一方で、公開買付者グループが運営するホテルは観光目的等の複数人利用客をターゲットとしていること等から、両社のホテル事業の特徴は大きく異なるため 、シナジーが生じることはなく、むしろ逆効果になると考えています。

第三に、本公開買付価格は当社の企業価値に照らして不十分です。

当社としては、当社の財務状況及び経営成績並びにユニゾグループ第四次中期経営計画等を踏まえると、当社株式の株式価値は本公開買付価格を大きく上回っていると考えています。

第四に、本公開買付けは、買付予定数の上限を付した強圧的な手法によるものです。

すなわち、公開買付者は、本公開買付けによって最小限の資金で当社の実質的な支配権を取得することができる一方で、公開買付者以外の株主が公開買付者の経営のリスクを負うことになります。

第五に、本公開買付けは、当社に対して何ら事前の通知・連絡もないまま突然公表され一方的に開始されたものであり 、 当社は公開買付者との間で信頼関係のない状態にあります。

このような状況下で、両社間で事業上のシナジーを発揮することは極めて困難であると考えています。

以上より、当社は、本公開買付けは、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益の毀損につながる可能性が否定できないと判断し、本公開買付けに反対の意見を表明するに至りました。

その判断の具体的な内容については、以下のとおりです。


(ⅰ)公開買付者との業務提携によるシナジーの創出は期待できず、当社企業価値を毀損するおそれがあること

(a )本公開買付けは異業種間の株式取得であり、相互の主力事業にシナジーが生じないこと


本公開買付けは、旅行事業を中心に営む公開買付者が、不動産事業を中心に営む当社の株式を取得する異業種間の株式取得であるところ、 本公開買付届出書では旅
行事業及び不動産事業における相互のシナジーについては具体的に言及されておりません。

すなわち、当社の平成31年(2019年)3月期の有価証券報告書 及び公開買付者の平成30年(2018年10月期の有価証券報告書に基づく当社及び公開買付者の事業のセグメント別の収支の状況は以下のとおりであり、

当社グループのオフィス・商業施設等の賃貸を主とする不動産事業は、連結売上高の77.0 約434億円)、連結営業利益の89.2 約164億円)を占め、当社の事業の第1の柱となっているのに対して、公開買付者の不動産事業は、独立したセグメントにならない規模に留まっており、公開買付者の令和元年(2019年10月期 第2四半期決算説明会資料でも不動産事業への言及はありません。

また、当社グループのホテル事業は、当社事業の第2の柱であり、連結売上高の23.0 約130億円)、連結営業利益の 10.8 約20億円)を占めるものですが、公開買付者グループにおいては、連結売上高の1.7 約120億円)、連結営業利益の4.6 約8億円)を占めるに留まっています。

さらに、両グループのホテル事業を比較すると、当社グループのホテル事業はビジネス目的等の単身利用者を主要ターゲットとする宿泊特化型ホテルを運営しており、徹底した経費削減と効率化により営業利益率15.3を達成しているのに対して、 公開買付者グループ のホテル事業は観光目的の家族・グループを主なターゲットとしており、営業利益率は6.7に留まっており、ビジネスモデルが顕著に違います。

一方で、公開買付者グループでは、旅行事業が公開買付者グループの連結売上高の89.4 約6 513 億円)、連結営業利益の67.4 約121億円)を占めており、当社には、これに対応する事業セグメントは存在しません。

(b) 不動産事業の事業価値を毀損するおそれがあること


前記のとおり、公開買付者は、当社グループの不動産事業にもたらすシナジーについて具体的に説明していない一方で、 本公開買付届出書において、当社の強みである不動産情報ネットワークを積極的に活用することで、公開買付者の不動産事業における用地取得の迅速化・効率化を図るとしており、公開買付者による当社株式
の取得により、むしろ当社の不動産事業のノウハウが一方的に収奪され、当社の企業価値が毀損されるおそれがあると考えております。

すなわち、当社グループの不動産事業の事業価値の源泉は、これまでに国内外でリスク耐性及び収益性の高い資産ポートフォリオを構築することを可能にした独自の不動産情報ネットワーク等のノウハウ にあると考えています。

これらのノウハウは、国内に6 8棟、米国に11棟のビル (平成31年(2019年)4月末現在) を運営することで構築した独自の不動産情報ネットワークから得られる情報や協力会社との強固な協力関係に基づき、マーケット状況を睨んだタイムリーかつ機敏な動きをとりつつ、物件単位での慎重な吟味を重ねてきたことによって築き上げられたものです。

現在も、第四次中期経営計画で、キャピタルリサイクリングを基本方針として、リスク耐性及び収益性を更に高める資産の入れ替えと資産ポートフォリオの再構築に
取り組んでおります。

これに対して、公開買付者は、国内で8物件を保有するに留まるばかりか、本対質問回答書によれば、海外に至ってはオフィス賃貸事業に関する物件を保有してすらいません(本対質問回答書3頁)。

それどころか、本対質問回答書によれば、そもそも、公開買付者は国内外において独自の不動産情報ネットワークを有しておらず、「証券会社等の金融機関及び不動産会社等」の外部から不動産情報を入手しているに留まっている上、内部体制としては、わずか数名による必要最小限度の人員のみによって運営している程度のものです(本対質問回答書1頁)。

その上、公開買付者においては前記(a)のとおり、不動産事業が属するセグメントは、連結営業損失を計上しています。

このように、 公開買付者の不動産事業は、当社が独自の不動産情報ネットワークを駆使して主力事業として不動産事業を展開している状況とは全く異なります。

このような状況を前提として、 本公開買付届出書の記載を検討すると、公開買付者は、当社の大株主となった後、当社グループの不動産事業の事業価値の源泉の一つである、独自の不動産情報ネットワークから得られる情報にアクセスすることにより、自らの不動産事業のテコ入れを図ろうとしていることが窺われますが、このことは、公開買付者以外の当社の株主様の犠牲の下に、当社グループの不動産事業の事業価値の源泉の一つである、独自の不動産情報ネットワーク等のノウハウを公開買付者に流出させることにほかなりません。

このように、旅行事業を中心に営む公開買付者は、本公開買付けによって、当社グループの事業の第1の柱である不動産事業にシナジーをもたらなさないだけに留まらず、むしろ、当社の不動産事業の事業価値を毀損するおそれがあるものと考えられます。

(c)ホテル事業においてもシナジーをもたらさず、 かえ って逆効果になることが懸念されること


公開買付者は、当社の企業価値向上への方策として、公開買付者がホームページで公表した説明資料において、(ⅰ)①訪日観光客等の当社への送客及び②公開買付者の主要な販売チャネルである「対面による店頭販売」「インターネットを介したオンライン販売」「企業向けの法人販売」を通じた売り込み、(ⅱ)エリアドミナント戦略の展開によるスケールメリットを活かした集中購買、効果的なマーケティングの実現、並びに(ⅲ)公開買付者の海外拠点及び取引先を含む情報ネットワークを有効活用することによる海外展開 を挙げております。

このような業務提携によってシナジーを発揮するためには、両社が運営するホテル事業に一定の共通性があることが前提となりますが、そもそも、両社のホテル事業の特徴は大きく異なります。

すなわち、当社グループが運営するホテル事業では、「ホテルユニゾ」「ユニゾイン」「ユニゾインエクスプレス」の3ブランドの下で、国内主要都市中心部の好立地での利便性を活かしたビジネス目的等の単身利用者を主要ターゲットとする宿泊特化型のホテル 25 棟(総客室数 5,797 室、シングル客室の構成比81%)を運営しており 、 平成30年度(2018年度 下期以降は、キ ャピタルリサイクリングを開始し、不動産マーケットの変動によるリスクの影響を受けにくい体制への転換を進めております。

これらの取り組みの結果により、重装備のフルライン都市型ホテル・リゾートホテルと異なる、景気変動の影響を受けにくい低コスト運営を実現し、昨年度は15.3%の営業利益率を達成しております。

これに対して、公開買付者のホームページによれば、公開買付者グループが運営するホテルは、国外のホテルが半数(18棟、客室数比54.8%、総客室数2,172 室)であり、国内のホテル(14棟、客室数比45.2%、総客室数1,791室)については、 約3割 (客室数比が観光目的の家族・グループをターゲットとするリゾート型ホテルとなっており、 約7割 (客室数比 の宿泊特化型ホテルについても観光目的等の複数人利用客をターゲットとするダブル・ツイン等の客室が主体となっています。

公開買付者自身、本対質問回答報告書において、公開買付者のホテル事業における地域別の客室構成は、「レジャー需要を意識し」、( (ⅰⅰ)大都市圏においてダブル60%、ツイン35%、トリプル5%となっており、 (ⅱⅱ)観光地及びテーマパークにおいてダブル30%、 ツイン60 %、トリプル フォース10%となっていると述べており、当社の主要ターゲット層である単身利用者が利用するシングルの構成比は0%です。

公開買付者はこれまで、リゾート型ホテルを中心に訪日観光客等の送客や売り込みを行ってきていますが、ターゲットとなる顧客層が異なる当社の宿泊特化型ホテルに対して、公開買付者が自ら運営するホテル事業に対して行っているのと同様の送客や売り込みを行ってもシナジーは生じないものと考えています。

この点は、当社グループと公開買付者グループとの間での現在の取引高が僅少であることからも裏付けられます。

当社子会社であるユニゾホテル 株式会社 (以下「 ユニゾホテル 」といいます。) の 平成30年度(2018年度の室料収入は120億円であるところ、公開買付者による取扱額はその 0.02 2百万円)に留まります。

この要因としては、上記のとおり当社グループの運営するホテルがビジネス目的等の単身利用者を主要ターゲットとしていることに加え、公開買付者が主要な販売チャ
ネルの一つとする「対面による店頭販売」を通じた予約が占める割合が小さいことが挙げられます。

株式会社ホーワス・アジア・パシフィック,ジャパンの推計に よれば、 インターネットによる OTA オンライントラベルエージェントを通じた送客比率は、ホテル業界全体において、この10年間で4倍となり、全体の予約の4割を占める一方で、店舗型旅行代理店を通じた送客比率は年々減少しています。

実際に、ユニゾホテルにおいても、 OTA オンライントラベルエージェント を通じた予約が全体の3分の2を占めていることから、公開買付者による店舗販売によって送客が増加することは考えにくいところです。

なお、 株式会社ホーワス・アジア・パシフィック,ジャパンの推計によれば、公開買付者が運営するネット予約サイトの平成30年度(2018年度の取扱高は250億円程度に留まり、他の大手サイトに比べると 厳しい状況にある と言わざるを得ず、インターネット経由の送客も期待できません。

さらに、公開買付者の決算説明会資料によれば、公開買付者の旅行事業売上高は6513億円に上る一方で、国内旅行取扱高は602億円、訪日旅行取扱高は288億円であり、日本国内の旅行客の取扱高は合計890億円に留まり、公開買付者の旅行事業売上高の13. 7 %に過ぎません。

本対質問回答書によれば、公開買付者グループ系ル ートによる公開買付者グループが運営するホテルへの送客数は全体の約20%とのことであり(本対質問回答書4頁)、公開買付者 が運営するホテルであって も外部の送客チャネルに依存していることが窺われ、公開買付者自身による送客実績は乏しいと考えざるを得ません。

また、国土交通省 観光庁が公表した平成30年度 2018年度)主要旅行業者の旅行取扱状況年度総計(速報)によれば、公開買付者グループの国内旅行取扱額のシェアは合計取扱額の2. 0 %となっております。

当社グループの年間宿泊客数は150万人に及ぶことや、当社グループのホテル宿泊客の約7割が日本人 宿泊客であることを踏まえると、そもそも公開買付者が当社グループのホテルに送客できる旅行客の人数は限定的なものになることが予想されます。

むしろ、公開買付者からの送客を受け入れた場合には、(ⅰ)現在当社グループが自由に選択している多岐に亘る送客チャネルの自由度が制約されたり、(ⅱ)公開買
付者が一定の保有枠を確保することによって空室率が上昇したり、(ⅲ)公開買付者からの送客チャネルに対して低価格での部屋出しを求められたり、(ⅳ)公開買付者のプライス設定方針に従うことにより、現在のマーケット状況に応じた最適な客室販売価格の設定が制約されることによって、かえって逆効果となることが懸念されます。

以上より、当社としては、公開買付者との提携を通じた公開買付者による送客・売り込みによってはシナジーは生じず、逆効果となることが懸念されます。

次に、公開買付者が主張するエリアドミナント戦略についても、当社グループの運営するホテルは いず れも国内のビジネス目的等の単身利用者を主要ターゲットと
する宿泊特化型であり、その客室数は5 ,797室ですが、公開買付者が運営するホテルのうち国内の宿泊特化型ホテルの客室数は1265室(当社グループの運営するホテル客室数の約2割)に過ぎません。

また、当社グループの運営するホテルの客室は 約8割 がシングルタイプであり、公開買付者グループの運営するホテルの客室がダブル、ツイン、トリプル、フォースで構成されているという違いによるターゲット層の相違を捨象して単純に合算しても、この規模の客室数が加わるのみでは、スケールメリットも限定的なものにならざるを得ません。

また、当社グループの運営するホテルはビジネス目的等の単身利用者を主要ターゲットとして徹底した効率化を実現しているのに対して、公開買付者の運営するホテルは宿泊特化型であっても観光目的等の複数人利用客を対象としており、両社のホテルで利用するアメニティーやリネンの種類が異なる上、人員配置を共通化することも困難です。

以上の理由から、公開買付者の主張するエリアドミナント戦略では効果的なコストダウンは見込めないものと考えております。

また、公開買付者が主張する海外展開の支援については、当社においても独自に当社ホテル事業の海外展開の検討を行っており、 一般論として海外展開を否定するものではありません。

しかし、 海外における宿泊客の受け入れは国内と異なるノウハウ、価値の提供が求められること、リスク要因が多いこと、また、長年の経験と蓄積のある国内市場に注力することが当社のホテル事業の成長のために最適なアプローチと考えていることから、現時点では具体的な海外展開の計画はありません。

加えて、公開買付者 の「ホテル100軒構想」に関する当社の質問に対して、国内外比率の概数を回答するのみでホテルタイプ別の構成等の具体的な想定については回答しておらず(本対質問回答書4頁)、 公開買付者 から海外展開に 関して、具体的な国・都市等の立地条件やホテル形態等の具体的なプランは提示されていない ため 、当社としては、公開買付者との間で海外展開に関して具体的なシナジーが生じることはないと考えております。

以上より、公開買付者の提案する業務提携によって当社のホテル事業にシナジーがもたらされることは見込めず、かえって逆効果になることが懸念されます。

(ⅱ)本公開買付価格が不十分であること
当社は、当社の財務状況及び経営成績並びにユニゾグループ第四次中期経営計画等を踏まえると、当社株式の株式価値は本公開買付価格を大きく上回っており、本公開買付価格は当社の企業価値に照らして不十分であると考えております。

当社は、本公開買付価格の妥当性を評価・検討するにあたり、当社及び公開買付者から独立した第三者株式価値算定機関として 株式会社 KPMG FAS ,ZECOO パートナーズ株式会社及びベネディ・コンサルティング株式会社に対して当社株式の株式価値の算定を依頼しました。

その結果、それぞれの株式価値算定機関からDCF法を用いた当社株式の株式価値について助言を得ております。

そして、各株式価値算定機関によるDCF法に基づく算定結果によれば、本公開買付価格は、 いずれの算定結果においても下限値を下回るとのことであったことから、これらの企業価値評価の専門家による算定結果は、本公開買付価格は当社の企業価値に照らして不十分であるという当社の考えを裏付けるものといえます。

なお、当社の市場株価は、本公開買付けの開始が公表された令和元年(2019年)7月10 日の前営業日である同月9日を基準とした直近6か月間(平成31年(2019年)1月10日~ 令和元年(2019 年)7 月9日まで)の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値において1,768 円~2,192 円で推移しています。

これは、当社がこれまでに実施した公募増資を踏まえ、将来再び公募増資が実施され更なる希薄化が生じることへの懸念等から当社株式の株式価値が過小評価されていたためと考えております。

当社としては、当社の財務状況及び経営成績並びにユニゾグループ第四次中期経営計画等を前提とすれば、企業価値評価の専門家による上記の算定結果は当社株式の株式価値を適正に表したものであり、本公開買付価格は、当社の適正な企業価値を反映していない不十分なものであると考えております。

(ⅲ)本公開買付けは強圧的な手法により一般株主に対して公開買付者による経営のリスクを負わせるものであること
本公開買付価格は、直近の当社株式の市場価格に対して一定のプレミアムが付された価格とされていますが、本公開買付けには買付予定数の上限が定められており、その買付数は最大で 13,759,700 株(所有割合: 40.21%)にとどまることから、この上限を超える数の株式については、買付けが行われずにあん分比例の方式により決済が行われることになります( 本公開買付届出書3頁)。

したがって、本公開買付けでは、応募された全ての株式について本公開買付価格による売却の機会が保証されているわけではなく、当社の株主様のうち、一定数の方は、必ず本公開買付後も当社の株主様であり続けることになります。

一方、本公開買付けによって公開買付者が当社の総株主の議決権の45%を保有することとなった場合、当社の株主総会における議決権行使比率(令和元年(2019年)6月開催の定時株主総会においては約68%)を考慮すれば、公開買付者が 実質的に当社の支配権を取得することとなります。

これにより、本公開買付け後は、公開買付者との利益相反に対する統制機能が失われ、株主共同の利益のためのガバナンス態勢の構築も困難になり、少数株主の利益保護が十分に図られないおそれがあります。

公開買付者は、本公開買付け成立後の具体的な経営方針及び経営体制については、本公開買付けの実施後、当社及び公開買付者双方の企業価値を更に向上させる観点から当社の経営陣と協議を行った上で決定する予定であり、現時点で確定している事実はなく、また、当社に対する取締役の派遣についても、当社の経営陣の意向等を考慮した上で行うことを検討しているにとどまり、具体的な人数について現時点で確定した事実はないと述べています(本公開買付届出書6頁)。

しかしながら、後記のとおり、公開買付者が、当社に対して何ら事前の通知・連絡もないまま 一方的に 本公開買付けを開始するという強引な手法を採っており、また、公開買付者と当社との間で信頼関係のない状態にあることを踏まえれば 、当社としては、本公開買付けの目的は、買付予定数の上限を付した公開買付けという強圧的な手法により、最小限の資金で当社の実質的な支配権を取得した上で、自らの意に沿った経営体制及び経営方針の変更を実施することにあると判断しております。

以上の事実からすると、株主の皆様は、限定された数の株式については一定のプレミアムが付された価格で売却する機会を得る一方で、残る株式については保有を継続することとなり、当社の実質的な支配権を獲得した公開買付者による当社の経営のリスク(前記 参照)を負うことになるといえます。

(ⅳ)公開買付者との間で信頼関係がないこと
本公開買付けは、当社に対して何ら事前の通知・連絡もないまま突然公表され一方的に開始されたものであるため、当社、他の株主様、従業員、取引先その他の関係者に混乱が生じております。

この点について、公開買付者は、本公開買付届出書及び公開買付者が令和元年(2019年)7月30日に提出した公開買付届出書の訂正届出書において、「2018年9月中旬に対象者[当社]に対し、 協業の可能性の検討を目的として、公開買付者のホテル事業と、対象者[当社]のホテル事業を対象とした業務提携(公開買付者による対象者[当社]の経営するホテルへの送客、及び対象者[当社]による公開買付者に対する不動産に関する潜在的な売買情報の提供や不動産の調達・建設・保守・管理に関するノウハウの共有)の協議につき打診し」、「2018年12月中旬から本国内大手証券会社に対して対象者[当社]との協業に関する対象者への打診を依頼し、本国内大手証券会社が、 2019年2月上旬より対象者[当社]に対し、不動産事業及びホテル事業の業務提携並びに資本提携(公開買付者による対象者[当社]の経営するホテルへの送客、及び対象者[当社]による公開買付者に対する不動産に関する潜在的な売買情報の提供や不動産の調達・建設・保守・管理に関するノウハウの共有を内容とする業務提携に加え、公開買付者による対象者[当社]の株式の取得を内容とする資本提携)の検討を含め、改めて対象者[当社]の企業価値向上のための公開買付者との具体的な協議を友好的に行うことを打診し始め、その後、本国内大手証券会社が面談及び電話の方法により複数回の協議の申入れをした」と記載していますが、当社としては、そのような打診や申入れは認識しておりません。

当社は、平成30 年(2018年)9月に公開買付者との間で初めて面談を実施しましたが、この面談は公開買付者による当社への表敬訪問として設定されたものであり、3 0分間程度のものでした。

実際に、当該面談では、公開買付者のホテル事業についての説明がなされたのみであり、公開買付者による当社の経営するホテルへの送客、当社による公開買付者に対する不動産に関する潜在的な売買情報の提供や不動産の調達・建設・保守・管理に関するノウハウの共有といった内容は協議されていないばかりか、両社の業務提携の申し入れすらされていません。

平成31年(2019年)2月上旬以降、公開買付者の取引先であり、かつ当社の取引先でもある証券会社の担当者から、当社の担当者に対して、公開買付者が当社との面談を希望しているという趣旨の連絡が複数回ありました 。

しかし、 当社が当該証券会社の担当者に対して面談の目的を問い合わせたものの、明確な回答は得られなかったため、公開買付者との面談は実現しませんでした。

平成31年(2019年)3月中旬頃になって、当該証券会社の担当者から当社の担当者への連絡により 、面談の目的が「資本業務提携」であり公開買付者が純投資目的で当社株式を取得した旨が初めて知らされました。

平成31年(2019年)3月末時点の当社の筆頭株主が公開買付者であることが判明したため、平成31年(2019年)4月上旬に、当社は担当役員も出席して、当該証券会社の 執行役員及び担当者と改めて面談しました。

当社は、その場で、当該証券会社が当社の取引先でもあることから、どのような立場で本件に関与しているのか、また、提案内容を正確に整理して説明してほしい旨
依頼し、改めて同月下旬に面談を行い、 常務執行役員及び担当者に公開買付者が当社との資本業務提携の意向を有しているのか確認しましたが、 分かりかねる旨返答され、当社としては一層困惑する結果となりました。

公開買付者は、あたかも、業務提携ないし資本提携についての具体的な提案を再三に亘り行ったにもかかわらず、当社が当該提案を一方的に拒否したかような説明を行っていますが、上記のとおり、そのような事実は存在しません。

この点に関しては、公開買付者も、本対質問回答報告書で、当該証券会社から、本公開買付け開始後の本年7月24日に、改めて報告を受けたところ、本公開買付届出書に記載した事実関係とは異なっていたとして、本公開買付届出書に記載の事実関係を訂正する開示を行っております。

上記のような事実認識の相違は、当社の責めによるものでもないこと、及び、そのような仲介を行っていた証券会社による複数回の打診が、当社にとって意味のあるものではなかったことは明白です。

本公開買付けに至った上記の経緯に加えて、当社は、本対質問回答書において公開買付者が真摯に回答を行ったと評価することはできないと考えています。

すなわち、公開買付者は、当社の総株主の議決権の45%を保有することを予定していますが、仮に公開買付者の議決権割合がこのような程度に至った場合、当社が公開買付者に対する質問事項において指摘したとおり、当社の過去の株主総会における議決権行使率を踏まえれば、公開買付者は、実質的に、当社株主総会における議決権の過半数を有するのと同じ状態となります。

それにもかかわらず、公開買付者は、本対質問回答書において 、「(当社の)総議決権の過半数を取得することはない」 ことを根拠に、当社の経営の独立性を確保することは可能であるという形式論に終始し、実質的な回答を避けています(本対質問回答書7頁、8頁)。

また、公開買付者の意向として当社と協業の可能性に関する協議を進めたいとのことですが(本公開買付届出書5頁等)、そのためになぜ45%にも上る議決権割合を保有する必要があるのかについては、本対質問回答書において具体的で説得力のある回答はありませんでした。

さらに、公開買付者は、本対質問回答書において、公開買付後の当社の経営方針や事業計画等につき、いずれも当社が「独立性をもって」判断すべき事項である、として回答を避けていますが、他方で当社の各既存事業の価値向上のための施策については 「具体的な経営方針については、本公開買付けの実施後、双方の企業価値を更に向上させる観点からユニゾ HD 様の経営陣と協議を行った上で」当社が決定することを想定している 、とするなど、その回答は一貫しません。

このように、当社と公開買付者との間で、結果的に適切なコミュニケーションが取られることなく公開買付者による本公開買付けの実施に至ったという経緯に加え、本対質問回答書における公開買付者の回答内容が真摯なものではないことを踏まえれば 、仮に本公開買付けにより公開買付者が当社の大株主となり、公開買付者が提案 するような業務提携を行おうとしても、当社は公開買付者との間で信頼関係のない状態であるため、事業上のシナジーを発揮することは極めて困難であり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を増加させることは難しいものと考えております。

以上のとおり、当社は、公開買付者との間で信頼関係のない状態にあり、両社間での業務提携によるシナジーの創出は期待できず、むしろ当社企業価値を毀損する おそれがあり、また、 本公開買付けは強圧的な手法により一般株主に対して公開買付者による経営のリスクを負わせるものであって、 さらに、 本公開買付価格は、当社の適正な企業価値を反映していない不十分なものであると考えるため、本公開買付けに対して反対いたします。


(3)上場廃止となる見込み及びその事由
当社株式は、本日現在、東京証券取引所市場第一部に上場されております。

本公開買付届出書によれば、本公開買付けは、当社株式の上場廃止を企図したものではなく、公開買付者は、本公開買付け後も引き続き当社株式の上場を維持する方針であり、買付予定数の上限(13,759,700株)を設定しているとのことですので、本公開買付け後に公開買付者が所有することとなる当社株式の数は最大で15,399,200株(所有割合:45.00%)にとどまる予定です。

したがって、本公開買付け成立後も、当社株式は、引き続き東京証券取引所市場第一部における上場が維持される予定です。


(4)いわゆる二段階買収に関する事項
本公開買付届出書によれば、公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の上限にあたる応募があり、公開買付者が所有割合にして45.00%を保有するに至った場合には、本公開買付け後に当社の株券等を追加で取得することは、現時点では予定していないとのことです。

一方、本公開買付届出書によれば、公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の上限に満たない応募となり、その結果、所有割合にして45.00%を保有するに至らなかった場合には、市場取引等の方法により当社株式を追加取得する可能性があるものの、現時点では具体的な予定はないとのことです。


(5)公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
前記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「①本公開買付けに関する意見の根拠」に記載のとおり 、当社は 、本公開買付けに係る当社の意見を表明するにあたり、複数の外部専門家を起用し、その助言等を受けております。

また、本特別委員会は、当社の各アドバイザーとは別に、独自に法務アドバイザーとして 矢吹法律事務所を、株式価値の算定に関するアドバイザーとして PwC アドバイザリー合同会社をそれぞれ選任しております。

本特別委員会は 、令和元年(2019年)7月16日、7月22日及び8月5日に開催されており 、7月16日には 、本諮問事項についての審議を開始し、7月22日には、特別委員会独自の法務アドバイザー及び財務アドバイザーの選任を決議するとともに、当社が本公開買付けに対して留保の意見を表明し、公開買付者に対して質問書の提出をすることに関して審議を行い、(ⅲ)8月5日 には、公開買付者から提出された 本対質問回答報告書や株式価値算定機関により算定された当社株式価値算定結果を踏まえた上で、 本 諮問事項の審議を実施しております。

そして、本特別委員会は、令和元年(2019年)8月 5日、当社取締役会に対し、本特別委員会の全員一致の意見として、 本公開買付けは当社の企業価値向上及び株主共同の利益の向上に資するものとはいえず、また、本公開買付けに係る対価は妥当でないことから、本公開買付けには合理性がないと考える旨の答申を行いました。

この答申を受けて 、令和元年(2019年)8月6日開催の取締役会において、出席取締役全員の一致により、本公開買付けに反対の意見を表明する旨の決議を行いました。

なお、上記取締役会において、出席監査役は、いずれも、本公開買付けに反対の意見を表明することに異議がない旨を述べております。

4.公開買付者と当社株主・取締役等との間における本公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項
該当事項はありません。

5.公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容
該当事項はありません。

6.会社の支配に関する基本方針に係る対応方針
該当事項はありません。

7.公開買付者に対する質問
該当事項はありません。

8.公開買付期間の延長請求
該当事項はありません。
以上